パイオニア vs 久光製薬 【セミファイナル】

佐々木みき選手
 レギュラーラウンド1位のパイオニア・レッドウィングスと2位久光製薬・スプリングスのセミファイナル戦が、2006年2月25日、大阪市中央体育館で行われた。セミファイナル1日目、第1試合から、事実上の決勝戦である。
 パイオニアは各選手の動きが硬く、なかなかリズムに乗れない。栗原選手がブロックに捕まり、次第に強打を打てなくなる。フェイント多用でさらに拾われるという悪循環。今日のコウは弱気のコウだった。大事な試合だけに慎重に、という気持ちが強かったのかもしれない。それでも29打数11得点、スパイク決定率は37.9%と並の選手以上の数字は上げている。でも、彼女は本来こんな数字で終わる選手じゃないのだ。
 栗原恵選手は得意のサーブでもエースを奪えなかった。9打数で3失点。気持ちの問題だけ(彼女ほどフィジカルに恵まれ、技術のある選手はそうそういない)と思うが、好不調の大きな波に翻弄され続ける彼女。強気のときは本当に胸の空くプレーを見せてくれるのだけど。ともかく、今日は相手が悪かった。若い娘をいたぶるのに長けた鬼嫁軍団、久光である。リーさん(江口理代選手)やユキ姉(内田役子選手)、トモさん(吉原知子選手)あたりにとっては、どうってことのない久光(除ケニア)なんだろうけど、若い栗原選手にとっては戦いにくい相手のようだ。我が東レ・アローズも久光には苦杯をなめ続けている。
レオ
 古巣久光相手にどんなプレーで魅せてくれるか期待したリーさんも、体調不良か攻守ともに今一つのでき。一人気を吐いたのは、筋肉チロリストのレオ(佐々木みき選手)。その筋肉チロリストぶりは、写真をご覧いただければお分かりになるだろう。男でもほれぼれする肩の筋肉。結局レオはチーム最多の34本のスパイクを打ち、最多の18点(ブロックの1点を含む)を叩き出した。アタック決定率は50%と素晴しいでき(写真2:座頭市レオ)だった。
 一方の久光はケニアが軸なのは変わらないものの、大村、先野、成田、落合の各選手が10〜20本のスパイクを打ち、決定率はいずれも40%超(大村加奈子選手は50.0%)とバランスのよい攻撃を披露した。この日もケニアは45打数20得点(アタック決定率44.4%)とすごい活躍だったのだが、レギュラーラウンドではひとりで70本超を打つこともあったので、あまり目立たなかった。それでも、破壊力抜群のスパイクは観客の視線を釘付けにしていたが。逆にパイオニアは、ケニア以外の選手に翻弄されることになった。
久光大勝利
 試合は肝心なところでサキさんのクイックやブロック、カナさんの強打が決まり、21-25、20-25、19-25のストレートで久光が快勝した。 パイオニアはレオが孤軍奮闘するも、それ以外は何もさせてもらえない状況。得意のサイド攻撃は久光のブロックに封じられ、センター線もオフェンシヴなサーブで崩された。サーブレシーブ成功率36.5%ではセッターのユキ姉もどうしようもない。
 久光勝利の瞬間(写真3)、真鍋監督がガッツポーズ。サキさんが、イクさんが笑顔でコート中央に駆け寄る。6人が固く抱きあい、そして飛びあがる。アップゾーンの選手からも大きな歓声、恒例の「ヒュ〜」も聞こえた。チームの雰囲気も最高で、決勝戦でも素晴しいゲームを見せてくれそうだ。
 パイオニアは明日、決勝進出をかけ第2試合の勝者と闘う。レギュラーラウンド1位のプライドと、3年連続決勝進出の意地を胸に。その他の写真はhttp://homepage.mac.com/duke_togo/12thV/PhotoAlbum46.htmlにて。 
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